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このページでは、障害福祉の特定事業所加算について、制度の内容から区分ごとの算定要件、準備する書類、届出の流れや注意点まで順番に解説しています。
特定事業所加算とは
特定事業所加算は、良質な人材の確保とサービスの質の向上に取り組む事業所が条件に応じて取得できる加算です。
障害福祉の訪問系サービスでは、サービス提供責任者や従業者の体制、資格を持つ職員の割合、重度の障害のある方への対応などの要件を満たすことで報酬が加算されます。
すべての要件を満たしていなければ、算定することはできません。
※介護保険サービスの特定事業所加算は、別の制度のため、このページでは扱っていません。
対象となるサービスと加算率
特定事業所加算があるのは、次の4つのサービスです。
| 居宅介護 / 重度訪問介護 / 同行援護 / 行動援護 |
区分と加算率は、次のとおりです。
| 特定事業所加算(Ⅰ) | 所定単位数の20% |
|---|---|
| 特定事業所加算(Ⅱ) | 所定単位数の10% |
| 特定事業所加算(Ⅲ) | 所定単位数の10% |
| 特定事業所加算(Ⅳ) | 所定単位数の5% |
※重度訪問介護には、特定事業所加算(Ⅳ)はありません。
算定要件
区分によって、「体制要件」「人材要件」「重度障害者への対応の要件」を組み合わせて満たす必要があります。
居宅介護・同行援護・行動援護
| 要件 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
|---|---|---|---|---|
| 全従業者への個別の研修計画の策定と実施 | 〇 | 〇 | 〇 | ― |
| 全サービス提供責任者への研修計画の策定と実施 | ― | ― | ― | 〇 |
| 技術指導などを目的とした会議の定期開催 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| サービス提供責任者と従業者の情報伝達・報告の体制 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 従業者への健康診断などの定期的な実施体制 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 緊急時などの対応方法の利用者への明示 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 新規採用者への熟練従業者による同行研修 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 従業者の資格の割合など | 〇 | △ | ― | ― |
| サービス提供責任者の実務経験 | 〇 | △ | ― | ― |
| 常勤のサービス提供責任者を2人以上配置(複数の配置が必要な場合) | 〇 | △ | ― | ― |
| 常勤のサービス提供責任者を、基準を上回って配置(必要数が2人以下の場合) | ― | ― | ― | 〇 |
| 障害支援区分5以上などの方の割合が30%以上 | 〇 | ― | 〇 | ― |
| 障害支援区分4以上などの方の割合が50%以上 | ― | ― | ― | 〇 |
※△は選択です。Ⅱは、「従業者の資格の割合など」か、「サービス提供責任者の実務経験と常勤の配置」のどちらかを満たせば算定できます。
※行動援護は、行動援護計画などを作成・交付するときの関係機関との連絡調整も要件です。
重度訪問介護
| 要件 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ |
|---|---|---|---|
| 全従業者への個別の研修計画の策定と実施 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 会議の定期開催、またはサービス提供責任者による個別の研修 | 〇 | 〇 | 〇 |
| サービス提供責任者による、利用者の情報や留意事項の毎月の伝達 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 従業者への健康診断などの定期的な実施体制 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 緊急時などの対応方法の利用者への明示 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 新規採用者への熟練従業者による同行研修 | 〇 | 〇 | 〇 |
| 24時間派遣が可能で、深夜帯も含めて実際にサービスを提供していること | 〇 | 〇 | 〇 |
| 従業者の資格の割合など | 〇 | △ | ― |
| サービス提供責任者の実務経験 | 〇 | △ | ― |
| 常勤のサービス提供責任者を2人以上配置(複数の配置が必要な場合) | 〇 | △ | ― |
| 障害支援区分5以上の方と、喀痰吸引などが必要な方の割合が50%以上 | 〇 | ― | 〇 |
次に、要件の注意点を説明します。
従業者の資格の割合など
次のいずれかを満たす必要があります。
|
サービス提供責任者の実務経験
全てのサービス提供責任者が、次のいずれかであることが必要です。
|
重度訪問介護では、重度訪問介護従業者として6,000時間以上の実務経験がある方も認められます。
行動援護では、サービス提供責任者のうち1人以上が中核的人材育成研修の修了者であることも選択肢とされています。
重度障害者への対応の要件
利用者のうち、障害支援区分の高い方などの割合が、一定以上であることが求められます。
|
割合の計算方法
人材や重度障害者への対応の割合は、次のいずれかの期間の、1か月あたりの実績の平均で計算します。
|
重度障害者への対応の割合は、利用者の実人数、または利用回数のいずれかで計算します。
割合は、小数点第2位以下を切り捨てて計算します。
準備書類
特定事業所加算の届出では、要件を満たしていることの根拠となる書類をあわせて提出する必要があります。
書類は、届出の直前に慌てて集めるのではなく、日ごろから記録として残しておくことが非常に重要となります。
居宅介護・同行援護・行動援護で準備する主な書類は、次のとおりです。
| 研修計画 |
【ポイント】計画だけでなく実施した記録も必要です。 |
|---|---|
| 会議の定期開催 |
【ポイント】会議の開催状況の概要を記録しておく必要があります。 |
| 情報伝達・報告の体制 |
【ポイント】サービス提供後の報告は文書で記録して保存します。 |
| 関係機関との連携(行動援護のみ) |
【ポイント】行動援護の計画を作成・交付するときの連絡調整です。 |
| 健康診断などの実施 |
【ポイント】従業者全員が対象です。 |
| 緊急時の対応方法の明示 |
重要事項説明書など(緊急時の対応方針、連絡先、対応できる時間が書かれたもの) 【ポイント】利用者へ明示したことが分かる形にします。 |
| 新規採用者への同行研修 |
【ポイント】サービス提供記録の備考欄などに、同行者の氏名、同行時間、研修の内容を簡潔に記録する方法もあります。 |
| 従業者の資格の割合 |
【ポイント】割合は毎月記録し、基準を下回ったときは届出が必要です。 |
| サービス提供責任者の実務経験 |
【ポイント】全てのサービス提供責任者について必要です。 |
| 常勤のサービス提供責任者の配置(Ⅳ) |
【ポイント】基準を上回って常勤のサービス提供責任者を配置していることを示します。 |
| 重度障害者への対応の割合 |
【ポイント】喀痰吸引などが必要な方を割合に入れる場合に、登録通知書が必要です。割合は毎月記録します。 |
重度訪問介護では、上の書類に加えて、次の書類も準備します。
| 毎月の情報伝達 |
【ポイント】利用者の情報や留意事項に変更があったときも、同様に伝えます。 |
|---|---|
| 24時間の派遣体制 |
【ポイント】サービスを提供できなくなったときは、直ちに届出が必要です。 |
研修計画、会議、健康診断、緊急時の対応方法、同行研修、資格の割合、サービス提供責任者の実務経験、重度障害者への対応の割合の書類は、居宅介護・同行援護・行動援護と同じです。
運営指導では、加算の算定に係る根拠となる書類(体制・人材・重度障害者への対応の要件に関するもの)の提示を求められることがあります。
届出のときに用意した書類は、そのまま整理して残しておきましょう。
届出の流れと期限
特定事業所加算は、算定を始める前に、事業所の所在地を管轄する自治体へ届出が必要です。
京都市の場合、毎月15日以前に届出をすると翌月から、16日以降に届出をすると翌々月から算定できます。
期限に余裕をもって準備を進めましょう。
届出の際は、上の準備書類に加えて、次の書類も提出します。
|
※様式や必要書類は変更されることがあるため、提出前に、最新のものを確認する必要があります。
取得後の注意点
特定事業所加算は、取得して終わりではありません。
|
令和6年3月31日の時点で、すでに加算を受けていた事業所は、令和9年3月31日までの間、行動援護の関係機関との連絡調整の要件と重度障害者への対応の要件の一部について、従来の基準によることができる経過措置があります。
よくあるご質問
よくあるご質問
Q.特定事業所加算は、どのサービスで取得できますか。
A.障害福祉では、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護で取得できます。
Q.区分は、どのように決まりますか。
A.体制・人材・重度障害者への対応の要件の組み合わせで決まります。加算率は、Ⅰが20%、ⅡとⅢが10%、Ⅳが5%です。
Q.重度訪問介護にも、特定事業所加算Ⅳはありますか。
A.ありません。重度訪問介護は、ⅠからⅢまでです。
Q.すべての要件を満たさないと、算定できませんか。
A.はい、区分ごとに定められた要件を、すべて満たす必要があります。ただし、Ⅱの人材要件は、「従業者の資格の割合など」か、「サービス提供責任者の実務経験と常勤の配置」のどちらかを満たせば足ります。
Q.重度の障害のある利用者が少なくても、取得できますか。
A.Ⅱは、重度障害者への対応の割合の要件がありません。Ⅰ、Ⅲ、Ⅳには、この要件があります。
Q.割合は、いつの実績で計算しますか。
A.前年度の4月から2月まで、または届出をする月の前3か月の、1か月あたりの実績の平均で計算します。
Q.届出をしたあとは、何をすればよいですか。
A.毎月、割合を維持して、その記録を残す必要があります。割合を下回ったときは、直ちに届出が必要です。
Q.届出は、いつまでに行えばよいですか。
A.京都市の場合、毎月15日以前に届出をすると翌月から、16日以降に届出をすると翌々月から算定できます。
Q.準備する書類には、どのようなものがありますか。
A.研修計画と実施記録、会議の議事録、健康診断の記録、資格証の写し、割合の計算シートなどです。サービスや区分によって異なりますので、上の「算定要件を満たすための準備書類」をご確認ください。
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