介護・障害福祉の指定申請を行うには、大前提として会社(法人格)を設立する必要があります。
ただし、ひと言で法人格といってもさまざまな種類があります。
介護・障害福祉事業での開業では、主に次の4つのいずれかを選ぶことになります。
|
このほかに社会福祉法人という選択肢もありますが、個人が起業する形としては選ばれることがほとんどないため、ここでは取り上げません。
法人格それぞれの特徴
株式会社
もっとも知名度の高い法人格です。
かつては取締役の人数や資本金の額に設立要件がありましたが、現在は取締役1名以上、資本金1円以上から設立できます。
指定申請では、資本金額を運転資金とみなす自治体が多くあります。
そのため、事業開始後数か月分の運転資金に相当する額を資本金に設定するのがおすすめです。
※介護報酬・障害福祉サービス報酬は、サービスを提供した月の翌月に国保連へ請求し、入金されるのは翌々月末ごろです。最初の約2か月分の家賃や人件費をまかなう意味でも、運転資金が必要です。
| 責任 | 有限責任 |
|---|---|
| 資本金 | 1円以上 |
| 役員・社員 | 取締役1名以上 |
| 役員の任期 | 2〜10年 |
| 法定費用 |
|
| 設立にかかる期間 | 約1週間 |
| 特徴 |
|
合同会社
比較的新しい形態の法人格です。
株式会社より法定費用を抑えられるため、次のような方の起業に向いています。
|
指定申請では、法人名とは別に事業所名を設定することも多く、法人格にこだわらない方が少なくありません。
また、設立時の法定費用を抑えられることから、合同会社は介護・障害福祉事業の起業でもよく選ばれています。
| 責任 | 有限責任 |
|---|---|
| 資本金 | 1円以上 |
| 役員・社員 | 務執行社員1名以上 |
| 役員の任期 | なし |
| 法定費用 |
|
| 設立にかかる期間 | 約1週間 |
| 特徴 |
|
一般社団法人
以前の公益法人は設立要件が厳しく、社団法人・財団法人を設立するのは容易ではありませんでした。
現在の一般社団法人は監督官庁の認可が不要で、公益性の有無にかかわらず、登記のみで設立できます。
設立費用は、登録免許税6万円、定款認証手数料5万円強で、株式会社より抑えられます。
また、従来の社団法人と異なり、公益を目的とする必要はありません。
法律に触れる内容でなければ、事業内容に特段の制約はありません。
NPO法人のような行政庁の監督もないため、自主的な運営が求められます。
| 責任 | 有限責任 |
|---|---|
| 資本金 | なし |
| 役員・社員 | 理事1名以上、社員2名以上(設立時) |
| 役員の任期 | 理事は2年以内(定款で短縮可)、監事は4年以内 |
| 法定費用 |
|
| 設立にかかる期間 | 約1週間 |
| 特徴 |
|
NPO法人
株式会社や合同会社(LLC)は営利法人ですが、NPO法人は非営利法人である点が大きく異なります。
- 営利法人:事業で得た利益を、出資者などの構成員に分配することを目的とする法人
- 非営利法人:事業で得た利益を構成員に分配しない法人
非営利法人でも収益をあげてはいけないわけではないため、収益事業である介護・障害福祉事業を行うことはもちろん可能です。
所轄庁の認証を受けた法人として、社会的に信頼されやすいのが特徴です。
一方で、設立には理事3名以上・監事1名以上(合計4名以上)の役員と、10名以上の社員が必要です。
所轄庁の認証を受ける必要があり、設立までに長い期間がかかるなど、デメリットもあります。
| 責任 | 有限責任 |
|---|---|
| 資本金 | なし |
| 役員・社員 |
|
| 役員の任期 | 2年以内(定款で定める。再任も可能) |
| 法定費用 |
|
| 設立にかかる期間 | 約3〜4か月 |
| 特徴 |
|
おわりに
介護・障害福祉事業を始めるには、指定申請の前に法人格を設立する必要があり、選択肢は主に、株式会社・合同会社・一般社団法人・NPO法人の4つです。
それぞれの特徴は次のとおりです。
| 法人格 | 設立の目安 | 法定費用 | 向いている方 |
|---|---|---|---|
| 株式会社 | 約1週間 | 高め | 社会的な信用度や知名度を重視したい方 |
| 合同会社 | 約1週間 | 安い | 設立費用を抑えて、早く開業したい方 |
| 一般社団法人 | 約1週間 | ほどほど | 公益性のあるイメージを大切にしたい方 |
| NPO法人 | 約3〜4か月程度 | かからない | 非営利の活動として時間をかけて準備できる方 |
迷ったときは、次の3点を基準に考えるのがおすすめです。
|
なお、法人格によって、指定を受けられる事業が制限されることは基本的にありません。
ただし、資本金を運転資金とみなす自治体もあるため、設立時に事業開始後の資金計画も考えておくことが大切です。
法人格の選択は、開業後の運営や資金繰りにも関わりますので、設立前に、事業内容や資金計画とあわせて検討しましょう。
各種許認可申請について
介護・障害福祉事業以外の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。
介護・障害福祉事業の指定申請についてのお問合わせ
ひかり行政書士法人では、介護事業・障害福祉事業についてのご相談や指定申請サポートのお申込みについて、お電話・メールでのお問合わせを承っております。
京都府・滋賀県・大阪府・兵庫県での介護事業・障害福祉事業についてのご相談は、お気軽にご連絡ください。

