「訪問看護事業を立ち上げたいけれど、何から手をつければいいのかわからない」「指定基準や必要な資金は?」と疑問をお持ちの方へ。
このページでは、訪問看護事業の概要から開業に必要な4つの指定基準を分かりやすく整理して解説します。
1. 訪問看護事業(介護予防訪問看護)とは?
訪問看護とは、看護師やリハビリ専門職が利用者の自宅を訪問し、病状の観察、医療処置(バイタル測定や診療の補助)、療養上の世話、機能訓練などを提供するサービスです。
サービスの利用には必ず医師の指示が必要となります。
「訪問看護ステーション」と「病院・診療所」の違い
事業者の形態には大きく分けて2つの種類があり、それぞれ対象となる患者(利用者)の範囲が異なります。
| 訪問看護ステーション | 病院・診療所 | |
|---|---|---|
| 主治医の制限 | 制限なし | その医療機関を受審している患者に限定 |
| 専門職 | 保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士 | |
| 適用される保険 | 原則として介護保険を算定(※ただし、急性増悪期や末期がん、厚生労働大臣が定める特定の疾病等の場合は医療保険から給付) |
2. 訪問看護ステーションを開設するための「4つの指定基準」
訪問看護ステーションを開設し、介護保険のサービスを提供するためには、都道府県知事から「事業者指定」を受ける必要があります。
指定を受けるための基準は、大きく以下の4つに分類されます。
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「みなし規定」と「居宅療養管理指導」 |
|---|
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① 法人格の要件
訪問看護事業を行うには、必ず法人(株式会社、合同会社、NPO法人など)でなければなりません。また、定款や登記簿謄本の「事業目的」に、訪問看護事業を行う旨(実施事業)が記載されている必要があります。記載がない場合は、事前に目的変更の手続きが必要です。
② 人員基準
スタート時に最もハードルとなりやすいのが人員の確保です。
以下の基準を必ず満たす必要があります。
| 管理者(1名) |
|
|---|---|
| 看護職員 |
|
| 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士 |
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「常勤換算」とは?
非常勤スタッフの勤務時間を常勤の勤務時間(例:週40時間)に換算して計算する方法です。
- 例: 常勤2名(週40時間×2=80時間)+ 非常勤1名(週20時間)= 計100時間
100時間 ÷ 40時間 = 2.5人(これで基準クリアとなります)
③ 設備基準
プライバシーの保護や衛生面に配慮した専用のスペースが必要です。
- 事務室
机や書庫などの備品が収容できる広さ。他の部屋の一画ではなく、パーテーション等で区切られた「専用区画」が必要です(自宅兼事務室にする場合はプライベート空間との明確な区分が必要)。 - 相談室
利用者のプライバシーに配慮し、個室またはパーテーションで仕切られた空間。 - 衛生設備
感染症予防のための洗面所、石鹸、消毒液などの設置。
④ 運営基準
厚生労働省令で定める適正な運営ルールに従う必要があります。
- 居宅介護支援事業者(ケアマネジャー)や主治医との緊密な連携
- 訪問看護計画書・報告書の作成
- 同居家族に対する訪問看護の禁止、記録の整備 など
マニュアル等の設置を行い、法令や条例に定める運営に関する基準に従って適正な事業運営を行う必要があります。
設置すべき規程やマニュアルは次の書類などがあります。
- 運営規程
- 重要事項説明書
- 衛生管理・完成症予防マニュアル
- 緊急時対応マニュアル
- 苦情処理対応マニュアル
- 研修マニュアル
- 事故発生マニュアル
- 身体的拘束等適正化のための指針
- 個人情報の利用目的
- 業務継続計画 など
3. 開業・立ち上げの成功を握る「3大ポイント」
ポイント①:人材(看護師)の確保
訪問看護ステーションの成否は「信頼できる看護師の確保」にかかっています。
現在、看護師全体が不足傾向にあり、特に訪問看護分野は採用難易度が高いと言われています。
また、単に資格を持っていれば誰でも良いわけではなく、人間性、高い技術、他機関との連携能力が求められます。
もし身近に声をかけられる知人などがいない場合は、募集期間を十分に組み込んだ余裕のあるスケジュールを立てることが肝心です。
ポイント②:資金の確保とキャッシュフロー
人件費や事務所経費など、事前の資金調達(自己資金、日本政策金融公庫などの融資、福祉医療機構の活用など)を堅実に行う必要があります。
- 資金繰りの大注意点:最初の2ヶ月は「収入ゼロ」
訪問看護の報酬(介護報酬・診療報酬)は、国保連等にレセプトを提出してから実際に振り込まれるまでに約2ヶ月かかります。そのため、開業後最低2ヶ月間は無収入でも耐えられる運転資金を準備しておかなければなりません。
※早期に現金化したい場合は、手数料はかかりますが「介護報酬ファクタリングサービス」の利用を検討するのも一つの手です。
ポイント③:立地選びと「特化型」の検討
高齢者が多い地域は需要も高いですが、同時にライバルとなる競合ステーションも多いのが現状です。
地域の需要と供給(高齢化率や競合数)のデータを集めることはもちろん、差別化を図るために「24時間対応」「小児や難病」「末期がんのターミナルケア」「精神疾患」といった、特定のニーズに強い【特化型訪問看護ステーション】としての強みを打ち出すことも有効な戦略です。
4. 申請に必要な書類と「その後」の届出
指定申請に必要な主な書類一覧
自治体によって若干異なりますが、一般的に以下の書類一式を揃えて申請します。
- 指定申請書
- 訪問看護・介護予防訪問看護事業者の指定に係る記載事項
- 定款の写し(原本証明付)、登記簿謄本
- 従業者の勤務体制・勤務形態一覧表、資格証明書の写し
- 管理者の経歴書、組織体制図
- 事業所の平面図、案内地図、外観・内観の写真
- 賃貸借契約書の写し(賃貸の場合)
- 運営規程、利用者からの苦情処理措置の概要
- 資産の状況を証明する書類(決算書、通帳の写し等)
- 損害保険加入を証明する書類、誓約書 など
「指定後」の各種届出
介護保険の指定が降りた後(あるいは同時並行で)、以下のような公費負担医療や労災、加算に関する届出も忘れずに行う必要があります。
- 自立支援医療(更生・育成・精神通院)の届出
- 生活保護法、労災保険における訪問看護の届出
- 特定疾患、小児慢性特定疾患などの治療研究事業に関する届出
- 24時間対応体制加算・特別管理加算(医療保険)の届出 など
5.指定申請の流れ
次に、指定申請をする際の手順についてご紹介します。
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指定申請の注意点
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訪問看護ステーションの開業手続きに不安はありませんか?
訪問看護事業の立ち上げには、法人設立、物件選定、人員の常勤換算、複雑な指定申請書類の作成、そして開業後の各種公費届出など、非常に多くの専門的なステップが存在します。
当事務所では、定款の目的変更から指定申請、開業後の各種加算・公費負担医療の届出まで、スムーズな開業をトータルでサポートしております。
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最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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