【障害児支援】保育所等訪問支援

保育所等訪問支援事業とは、平成24年の児童福祉法改正で創設されたサービスで、放課後等デイサービスや児童発達支援と同じ「障害児通所支援サービス」の一つとなっています。

保護者からの依頼を受けて、保育所、幼稚園、学校などの施設へ通う障害児に対し、訪問支援員がその施設へ訪問し、集団生活を営む障害児への専門的な支援や施設の先生やスタッフへ助言や情報交換などを行います。

放課後等デイサービスや児童発達支援との多機能型事業所として指定を取得されることも多い障害児通所支援サービスとなっています。

保育所等訪問支援事業の指定基準

ほかの障害児通所支援サービスと同じように、法人格や人員基準などの指定基準が定められています。

保育所等訪問支援を開業するための指定基準は、次のとおりとなっています。

法人格

保育所等訪問支援事業の指定申請を行うためには、法人格が必須となっています。

また、法人の定款に記載する「事業の目的」の文言については、該当する事業を行う旨の記載をするよう必要があります。

利用者の定員

利用者の1日の定員は、多機能型や重症心身障害児を通わせる場合(定員は最低5人)を除いて、1日10人以上であることが必要です。

人員要件

常勤の管理者、有資格者のサービス提供責任者や訪問支援員の配置など、以下の基準を満たすよう配置する必要があります。

管理者
  • 常勤の管理者1人以上
  • 資格要件は特にありません。
  • 児童発達支援管理責任者との兼務は可能。
児童発達支援管理責任者
  • 常勤の者を1人以上配置。
  • 資格要件:次の要件をいずれも満たすこと。
    <実務経験要件>
    障がい者又は児童の保健・医療・福祉・就労・教育の分野における直接支援・相談支援などの業務における実務経験が3~10年あること。
    ※うち3年以上は障がい児支援・障がい福祉サービス・児童関係であること。
    <研修受講要件>
    相談支援従事者初任者研修(講義部分)受講、及び児童発達支援管理責任者研修修了していること。
訪問支援員
  • 資格要件:障害児支援に関する知識及び相当の経験を有する
    ①児童指導員、②保育士、③理学療法士、④作業療法士又は⑤心理担当職員等であって、集団生活への適応のため専門的な支援の技術を有する者とする。
  • 配置数:常勤換算等はありません。
機能訓練担当職員
  • 資格要件:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士及び心理指導担当職員
  • 日常生活を営むのに必要な機能訓練を行う場合に、機能訓練担当職員を設置します。

設備要件

保育所等訪問支援事業を行うための事業所の設備として、以下の基準を満たす必要があります。

  • 事務室
  • 鍵付きの書庫
  • 相談室
  • 感染症予防のための手指洗浄設備
  • 手洗い・トイレ

指定申請の流れ

次に、指定申請をする際の手順についてご紹介します。

  • 事前確認
    人員基準や設備基準などの指定基準を満たしているか、事前に確認しながら準備をおこなう必要があります。
    本申請を行なう時点では必ずしも従業者の雇用が開始している必要はありませんが、人員の配置には目途が立っている状態にしておきましょう。
    設備基準については、事前相談の際には、事業所情報を提示する必要がありますので、設備基準を満たしているかどうかを慎重に確認しましょう。

  • 申請書類の作成と添付書類の収集
    自治体ごとに様式が異なっていますので、申請する自治体の様式を確認し書類を作成するようにしましょう。
    あわせて、勤務先(前勤務先)などに依頼が必要な実務経験証明や行政機関から取得する登記簿謄本などの添付書類を収集します。
    申請書類に不備などがあると申請が受理されない場合もあります。

  • 事前相談と本申請
    自治体ごとに事前相談・本申請の取扱いは異なっていますが、多くの自治体では、事前相談を行ったうえで本申請を行うという二段階の申請となっています。
    この期間に補正などを指示されることもあります。
    補正などの修正が遅れると、指定許可日が遅れてしまうこともありますので、迅速に対応するようにしましょう。

  • 面談若しくは実地調査
    実地調査は、各自治体ごとにある場合とない場合があります。
    面談や実地調査については、次の書類の提示などが必要となります。
    ・雇用契約書
    ・資格者証の原本
    ・各種マニュアル関連 など

  • 指定許可通知
    指定許可がおり、指定番号が振り分けられれば、営業を開始することができます。

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介護・障害福祉事業以外のその他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。

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