ここでは、サービス管理責任者・サービス提供責任者・児童発達支援管理責任者の要件について、個別に整理していきたいと思います。
それぞれの人員の設置が必要となる主な指定サービスは次の通りとなっています。
サービス管理責任者 | サービス提供責任者 | 児童発達支援管理責任者 |
---|---|---|
|
|
|
ぜひご参考にしていただければ幸いです。
サービス管理責任者の要件
サービス管理責任者(以下「サビ管」)になるためには、保有している資格と従事していた業務内容によって必要となる年数が異なる「実務経験」といくつかの「研修」の受講が必要となります。
実務経験要件
サビ管になるためには、保健・医療・福祉・就労・教育のいずれかにおける直接支援業務か相談支援業務のどちらかの実務経験が必要となります。
直接支援業務 |
「直接支援業務」とは、身体や精神に障害があり日常生活を営むのに支障がある方に対し、入浴や排せつ、食事その他の介護や、介護に関する指導を行う業務です。 他にも日常生活における基本的な動作の指導や生活能力の向上のために必要な訓練も直接支援業務にあたります。 直接支援業務の実務経験を満たすことができる施設は下記のとおりとなっています。
|
---|---|
相談支援業務 |
「相談支援業務」とは、身体や精神の障害や環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある方に対し、助言、指導そのほかの支援を行う業務です。 相談支援業務の実務経験を満たすことができる施設は下記のとおりとなっています。
|
実務経験の年数は、業務の内容や保有している資格によって異なります。
業務の範囲 | 実務経験年数 |
---|---|
相談支援業務 | 5年以上 |
直接支援業務(資格1) | 5年以上 |
直接支援業務(資格なし) | 8年以上 |
国家資格(資格2)などによる業務に通算3年以上従事しているものによる相談支援・直接支援業務 | 3年以上 |
実務経験の1年とは「実務に従事した期間が1年以上、かつ実際に従事した日数が180日以上であること」となっています。
日数を計算する際、1日当たりの勤務時間は問われないため、非常勤で1日当たり数時間の勤務であっても1日として計算することができます。
資格1 |
---|
社会福祉主事任用資格、介護職員初任者研修、訪問介護員2級以上、保育士、児童指導任用資格、精神障害社会復帰指導員 |
資格2 |
---|
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士 |
研修要件
サービス管理責任者等基礎研修・相談支援従事者初任者研修講義部分
サービス管理責任者として従事するために必要な第1段階の研修となります。
基礎研修修了者となるためには、基礎研修とあわせて「相談支援従事者初任者研修講義部分(京都府における3日コース)」を修了することとされています。
京都府では、相談支援従事者初任者研修は、基礎研修とは別個に申し込む必要がありますので御注意ください。
また、基礎研修は、実務経験要件をクリアする予定の2年前から受講できますので、たとえば、サービス管理責任者になるには相談支援業務の実務経験が5年必要ですが、基礎研修を受講するには3年の実務経験で問題ありません。
基礎研修の修了後、残りの2年の実務経験を積むことになります。
基礎研修修了者となった時点でサービス管理責任者になることはできませんが、以下のように、できる業務範囲が増えることになります。
- すでにサービス管理責任者が1名配置されている場合においては、基礎研修の修了者を2人目のサービス管理責任者として配置できる
- 個別支援計画書の原案を作成できる
サービス管理責任者等実践研修
サービス管理責任者や児童発達支援管理責任者として従事するために必要な第2段階の研修です。
実践研修を受講するためには、サービス管理責任者等基礎研修及び相談支援従事者初任者研修講義部分の両方を修了した後、2年以上(一定の要件を満たす場合は6月以上)の実務経験(OJT)が必要となります。
上記の研修を修了すると正式にサービス管理責任者として働けます。
サービス管理責任者等更新研修
実践研修を終えた後は5年に1回のタイミングで更新研修の受講が必要です。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
児童発達支援管理責任者
児童発達支援管理責任者(いわゆる児発管)になるためには、保有している資格と従事していた業務内容によって必要となる年数が異なる「実務経験」といくつかの「研修」の受講が必要となります。
実務経験要件
児発管になるためには、保健・医療・福祉・就労・教育のいずれかにおける直接支援業務か相談支援業務のどちらかの実務経験が必要となります。
直接支援業務 |
「直接支援業務」とは、身体や精神に障害があり日常生活を営むのに支障がある方に対し、入浴や排せつ、食事その他の介護や、介護に関する指導を行う業務です。 |
---|---|
相談支援業務 |
「相談支援業務」とは、身体や精神の障害や環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある方に対し、助言、指導そのほかの支援を行う業務です。 |
必要となる実務経験の年数は、業務内容や保有資格によって異なり、次のいずれかに該当する必要があります。
- 相談支援業務および直接支援業務を通算5年以上(高齢者等支援業務期間を除外した期間が3年以上であること)
- 直接支援業務を通算8年以上(高齢者等支援業務期間を除外した期間が3年以上であること)
- 国家資格の期間を通算5年以上(相談支援業務および直接支援業務から、高齢者等支援業務を除外した期間が3年以上であること)
相談支援業務に求められる資格
相談支援業務の実務経験は、次の資格を保有している方が対象となります。
|
相談支援業務の対象となる施設
相談支援業務の実務経験に該当する業務は、次の施設で行ったものに限られています。
障害者支援事業、身体(知的)障害者相談支援事業、地域生活支援事業、児童相談所、児童家庭支援センター、身体(知的)障害者更生相談所、発達障碍者支援センター、福祉事務所、保健所、市町村役場、障害児入所施設、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設および更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センター |
赤字の「老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設および更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センター」での相談支援業務は一定期間の除外対象施設となっています。
上記の施設において5年以上(除外対象施設の実務経験期間を除いて3年以上)の実務経験が必要です。
直接支援業務に求められる資格
直接支援業務の実務経験は、資格の有無によって必要となる年数が異なります。
以下の資格を補修している方は5年以上従事することで、児童発達支援管理責任者資格の要件を満たすことができます。
資格を持たない人に関しては、8年以上従事することで直接支援業務の実務経験として要件を満たすことができます。
|
直接支援商務の対象となる施設
直接支援業務の実務経験に該当する業務は、次の施設で行ったものに限られています。
障害児入所施設、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、認可保育所、幼保 連携型認定こども園、児童厚生施設、児童家庭支援センター、児童養護施設、 児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、病院又は診療所の療養病床、保険医療機関、保険薬局、訪問看護事業所、障害者通所支援事業、児童私立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、小規模居住型児童養育事業、病児保育事業、子育て援助活動支援事業、障害福祉サービス事業、老人居宅介護等事業 |
赤字の「老人福祉施設、介護老人保健施設、病院又は診療所の療養病床、老人居宅介護等事業」での相談支援業務は一定期間の除外対象施設となっています。
上記の施設において5年以上、無資格者は8年以上(除外対象施設の実務経験期間を除いて3年以上)の実務経験が必要です。
国家資格
指定の国家資格に基づく業務に従事した場合でも実務経験の要件を満たすことができます。
医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士、管理栄養士、精神保健福祉士 |
上記資格による従事期間が通算して5年以上あり、相談支援または直接支援の実務経験が3年以上である場合、児童発達支援管理責任者の要件を満たします。
資格による従事期間と相談支援・直接支援の実務経験期間は重複してOKです。
研修要件
サービス管理責任者、児童発達支援管理責任者になるためには研修の受講が要件となっていますが、研修の受講状況によって、提出が必要な修了証が異なっています。
下の表にまとめていますので、参考にしてください。
- 旧研修とは、分野別のサービス管理責任者又は児童発達支援管理責任者研修のことです。
- 相談支援従事者初任者研修修了証の代わりに、①障害者ケアマネジメン従事者養成研修の修了証、②相談支援従事者初任者研修(1日程度)修了証(平成24年3月31日まで受講分)の両方を提出することも可能です。
- 更新研修の受講サイクル(有効期間)を確認するために、実践研修修了証(旧研修修了者は初回の更新研修修了証)もあわせて提出する必要があります。
研修の受講状況 | 提出が必要な修了証 | |
---|---|---|
平成30年度以前 |
|
|
|
|
|
平成31年~令和3年度 |
|
|
|
①実践研修の修了証 ②相談支援従事者初任者研修(2日程度)修了証 |
|
令和4年度以降 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
以降は更新研修を修了した翌年度から起算して5年度ごとの末日までに更新研修の受講が必要です。
期限内に更新研修を受講しなかった場合は、実践研修の受講が必要となります。(下図参照)
サービス提供責任者
サービス提供責任者になるためには、看護師・介護福祉士などの資格を保有している必要があります。
資格要件
下記の資格のいずれかが必要となります。
|
2018年が任用要件が改定され、3年以上の実務経験を持つ介護職員初任者研修修了者は資格要件から除外されています。
研修 | サービス提供責任者 |
---|---|
介護福祉士実務者研修 ・旧介護職員基礎研修 ・旧訪問介護員養成研修(ホームヘルパー)1級 ・居宅介護従業者養成研修1級 |
〇 |
介護職員初任者研修 ・旧訪問介護員養成研修2級 ・居宅介護職員初任者研修 |
✖ |
研修・実務経験要件
また、一定の指定許可の場合には、資格要件のほかに、研修の受講や実務経験が必要となります。
同行援護の場合は、下記の表の研修を修了済みであることが必要となり、行動援護の場合は、下記の表の研修の修了と実務経験の両方が必要となります。
同行援護 |
|
---|---|
行動援護 |
|
各種許認可申請について
介護・障害福祉事業以外のその他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。
介護・障害福祉事業の指定申請についてのお問合わせ
ひかり行政書士法人では、介護事業・障害福祉事業についてのご相談や指定申請サポートのお申込みについて、お電話・メールでのお問合わせを承っております。
京都府・滋賀県・大阪府・兵庫県での介護事業・障害福祉事業についてのご相談は、お気軽にご連絡ください。